2018.9.25
樹木希林さん ー No.508樹木希林さん、フランスでは映画『あん』が代表作として大きく取り上げられたとかで昨日初めて観ました。涙が止まりませんでした。なんだかとてもたくさんの大切な多くのことを溢れるように心が感じとったよう。桜、小豆の音、風、満月.. 希林さん俳優さんの表情動き言葉すばらしくて。時間ですよ、や、寺内貫太郎一家や、tvでたくさん見てきてずっと好きだった。小学生の時70年代に家族で'ベルばら'を観に行った宝塚劇場の前の道を内田裕也さんと樹木希林さんが腕を組み最新ファションで歩いていてすごくかっこよく鮮明に覚えています。希林さんはファッションもすてきで独自のセンスはtvなどで見るご自宅のお家や庭やインテリアからもわかった。トロフィーも全部照明器具に変えたりと工夫したり、断捨離とか極端なことでなく好きなものを選び大切に生活している様子は、演技から感じる潔い印象と重なる。暮らし方は生き方に通じるのだと。
2018.9.24
十四夜月 ー No.507中秋の名月の前夜の十四夜月雲が多くやっと出てきたとき特別美しかった。多忙な仕事中心の生活をやめた12年前夫が趣味のカメラの一台をわたしにくれました。大好きな月 つい撮ってしまいます。日常の中でカメラで一番多く撮るのは空です。
2018.9.21
生活するということ ー No.506
20代前半から大好きだったインテリアの仕事に就き期待以上の質の高い仕事を多く経験できましたが数字と人事、企画、展示、運営、ビジネスの駆け引き、出張..そして政治に追われる休みもない毎日、
インテリアという前にきちんとした生活をしたいと思っていました。
しばらく空を見ることもない生活だったので、
結婚を機に組織を離れ、ゆっくり空を眺め、
散歩や旅、好きな絵の勉強などから心を取り戻していきました。
仕事をしている時から表面的に飾り立てたインテリアには興味がなく、意外性やギャップ、作りすぎない、崩すことを考えていました。ある程度で止めること、その先はお客様の創造力に委ねること。その余白をどこにどう取るかということ。そして、
それは意外にも、Cassinaイタリア日本の創業者と同じ感覚を共有できました。そして厳しさと同じだけの感謝を示してくれる、いつもとてもうれしかった。Cassinaでの後半に経営者とは自分たちが見せる方法や方向を話し合うとき、'ややダサい'という言葉をよく使いました。響いたようでした。説明が難しいですが、その頃すでに、これからの時代は一つの流行りの方向ではなく、バブルのようなイケイケでもなく、逆のナチュラルを気取ったものでのない、きちっとバランスをとるというよりは、ややアンバランスな感じ、自分たちよりももっと成熟している使う人、その人なりのそれぞれのセンスで選ばれていくものだ、というような感じでしょうか。
実際、わたしは使っている方買っていただく方のお家やオフィスを見ることが何より感覚を鍛えられました。どんな雑誌や情報よりも。自分のセンスとか勘違いすることがなくよかったと自負しています。
生活のそこに居る人から教えて見せていただくことが何よりリアル、本質だと繰り返し思っています。で、突き詰めるとやはり、人。人なんだとあらためて実感しています。そして、個人の役を得るとか名前を売るとか、効率よく不動産を売るためのモデルルームを飾り立てるようなものではなかったはずの、今の日本でインテリアとは、何だろうかと、もう一度考え始めています。
2018.9.15
アートとインテリア ー No.505
若い時から憧れ仕事とし夢中だったインテリアというものの価値、時代の変化で暮らしの豊かさの意味も変わった想像以上に。わたしの考えも変わった。わたしがいたCassinaというまだ小さなインテリアの会社その仕事に就いた80年代終わりは好景気の終焉に向かう時代の大きな変革期で、イタリアのCassinaも日本も次の新たな選択の時期にいた。
既に早くもイタリアは大きな施策を、準じて日本も動き出した。
私が幾つか兼務していたプロジェクト一つは、アート。異常な高値で売買されていたアートの業界も急速に変わっていた。
イタリアと日本の創業者のもとでその考えは一貫して現実的なもので、深く理解できた。
経営困難な逆境を乗り切る一つの施策として、また日本のインテリアの質を上げるため。すでに豊かな暮らしを実践するお客さま、さらにセンスいい次世代に広げて、アートを買いやすいものにしたい。アート部門を立ち上げた。80年代のような気取った時代は終わり、'適度にダサい'さじ加減を要求された。ややダサなさじ加減、アートが専門でないからこそのしなやかな発想、わたしの感覚や考え方に合った。インテリアのビジネスにアートがあるのは普通になり、時代は動いているけれどもっともっと楽しくなるといい。そしてアートもインテリアも人の心をあたためる夢あるものであってほしい。
2018.9.11
イサム・ノグチはイタリアから ー No.504
イタリアから教わりました。Cassinaというイタリアを中心とした家具を扱う当時はとても小さな会社で商品は見たことないものばかり1980年代後半からイタリアの家具ブランドが主にデパドヴァがイサム・ノグチをイタリアの家具と合わせることでCassina Japanにも置くようになりわたしはVMD,MD も兼務していたのでディスプレイに取り入れました。
日本人が'欧米に憧れて真似てる時代に、イタリアが日本のデザインを取り入れる。そのセンスは斬新で当時はかなり衝撃でした。
9/24まで開催の東京での回顧展もすばらしいです。
「イサム・ノグチ ー彫刻から身体・庭へー」
幅広い活動全体に触れる期待以上の展示会でした作品に一貫して感じる調和、そして一貫して作品から感じる'平和'。魂は生き続けると確信する。
わたしがイサム・ノグチを扱ったのは照明器具で、Cassina Japan1989年頃イタリア人から特に故デパドヴァ女史(またリーヴァ、マジストレッティやカステリオーニ)が提案するコーディネートからそれはとても真似できない高度で洗練されたセンス、もう一方は誰でもが暮らしに取り入れるヒント想像力多くを提案している、そのテクニックを教えていただいた。今のように画像がなかった時代に衝撃でした心に残る仕事の一つです。
イサム・ノグチ、今なお刺激的で楽しい回顧展です。↓