
2017.12.27
カズオイシグロ「日の名残り」 ー No.470
ノーベル文学賞を受賞されたカズオイシグロを知ったのは80年代終わりの「日の名残り」。
若い頃に南アフリカで新聞記者を後にNY本拠アジアのマーケットのコンサルティング会社の経営者という優秀なイギリス人の友人から、
日本人がなぜこんなにイギリス社会のことを理解できるのだろう、すばらしい小説だ、と教えてもらった。
私は最初に映画で観た。
知らないイギリス独特の社会の内側や、成就しない恋愛の細やかな心の機微、物語から受けるイギリスらしい静かで暗く美しい心象を受け取る、ごく自然なゆったりした流れの中で。
とにかく全てが新鮮だった。
それから、カズオイシグロが大好きになった。冷たい空気を含んだような物語と浮かぶ映像は一見孤独。
でも、そこに寄りそう愛を感じ不思議な余韻がずっと残る。人や命を考える。
良質な映画(または小説)からは、その時代やその環境での「生活や暮らしやインテリア」も観ることができるので、それもまた楽しい。よく聞くカズオイシグロさんの作品にある、'メタファー'は、生きていくこと人間にとって多くの大切なことを教えてくれる。
2017.12.24
クリスマスの本 ー No.469これはもう約30年前。私は、Cassinaというインテリアの会社で、いくつもの仕事を兼務しました。その一つ、VMDとMDの仕事。この本は、VMD=ビジュアルマーチャンダイジング の仕事で先輩がから引き継ぎいただいた大切な本。今はクリスマスの装飾の情報もモノも山ほど何でも手に入るけれど、当時はなかった。当時この本を参考にし、そしてその後もずっと、結局今も、この本が一番好きなのです。Cassina というイタリアのインテリアの会社は私が転職した当時まだ30人くらいの小さな会社でした。インテリアコーディレーターというものを、好景気の時代に主に不動産企業が欧米をモデルに立ち上げた、それはビジネスだったのだけれど、多くの人が'インテリア'というものに大きな夢を感じたはず、私もその一人でした。インテリアの仕事に就いてすぐクリスマスシーズンに。この本から、私のインテリアの仕事が本格的に始まりました。クリスマスが来るたびにこの本を出し当時を思い出すのです。
2017.12.21
吉本ばなな さんの「吹上奇譚」 ー No.468雑誌はほぼ見なくなり、情報を紙から取ることも少なくなった。でも、読書の時間はできる限り増やしたい。ばななさんの本はデビューからずっと大親友。普段みていない人やもの、音楽やアート、ファッションやお笑いなど ばななさんから知ることも多い。この本の絵を描いた原マスミさんもばななさんから知った。わたしは何に於いても意外性が好き。一つの方向に決めつけたものは窮屈。ばななさんのセンスは自分が知らないいろいろな方向を見せてくれる。強制されない。言葉がきらきらしていて、それがすっと自分の中に入り自分のものとなっていく感じ、自由に楽しむことができる。今回の装丁もすてき。きれいな本はうれしい。
'魔法をもたらすような秘密の書き方'とある。ほんとうにその通り。今の時代にこんな小説を読むことができ幸せになる。すてきな小説です。
2017.11.29
晩秋 ー No.467いつもの散歩コース。都心の真ん中の素敵な場所です。早い季節の移り変わりを確認する大切なひととき。
2017.11. 9
Vico Magistretti ヴィコ・マジストレッティの光 ー No.466
Vico Magistretti ヴィコ・マジストレッティの Lyndonリンドン は1977年にデザインされたガラスの美しい照明器具。かなり前 1987年頃 わたしはインテリアの仕事を始めてすぐマジストレッティ設計の住宅を担当したとき、このリンドンは未だ日本になく情報もなく、輸入したあと現場で加工し形を変えるよう指示がマジストレッティからあり、引渡しまで時間もなく苦労しました。その思い出も含めて、特別な大好きな照明器具の一つ。マジストレッティのデザインは照明器具もとても美しい。見た目はシンプルながら、形、素材、そして光、すばらしいです。インテリアの中でも'光'を考えることみることは最も好きです。